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農業経営支援・農地法許可

農地法3条許可(権利移動)

農地・採草放牧地の「耕作者等」が変わる所有権移転(売買)・地上権・永小作権・質権・賃借権・使用借権の設定を行う場合、

農業委員会の農地法3条許可が必要です。

また、農地に抵当権を設定する際は、農地法3条許可は不要ですが、抵当権実行による競売での農地取得の場合は、買受適格(競売に参加するための農地保有適格法人等の資格)に加え、農地法3条許可も必要です。

初めて農業参入される法人等で農地法3条許可を申請される場合は、農業委員会での事前面談・直近3年分の決算書(新規設立法人の場合は事業計画書等)・営農計画書・収支計画書に加え、「地域との適切な役割分担にかかる確約書」等が必要になります。また賃貸借や使用貸借の場合は契約書の写しの添付も必要です。市町村によって求められる添付書類には若干相違はありますが上記の書類は概ねどこの農業委員会でも求められます。「農地所有適格法人」として売買等で農地の「所有権」を取得される場合は、別途追加資料を求められることが多いです。

近年の改正
「農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律(令和4年法律第56号)」(令和5年4月1日から施行)
主な改正内容
 農業経営基盤強化促進法の改正では、認定農業者や新規就農者に対する支援が講じられていますが、これと合わせて農地法の一部改正も行われ、多様な人材確保・育成を後押しする施策として、これまで規定されていた農地の権利取得(所有権・賃貸借権等)時に求めていた下限面積(3,000㎡以上)要件が撤廃されています。この改正で、農業参入のハードルが、ずいぶんと緩和されました。
 但し、農地の権利取得に必要なその他の要件は、引き続き継続となります。各市町村農業委員会で基準が異なりますので、ご注意ください。
(農地法3条許可が不要な例外)
例外①
遺産分割・相続(包括遺贈又は相続人に対する特定遺贈を含む)により、農地又は採草放牧地を取得した場合は、遅滞なくその旨を農業委員会に届出すればよく、農地法3条許可は不要です。
例外②
民事調停法に基づく農事調停による取得の場合、農地法3条許可は不要です。

農業経営基盤強化促進法に基づく賃貸借(利用権設定)

農地所有者と農家の貸借等を集団的に行うため、市町村が個々の権利移動を1つの計画(農用地利用集積計画)にまとめ、個々の契約をとりかわすことなく、一挙に貸借等の効果を生じさせる事業です。

利⽤権の設定等を受ける者の要件について

次の全てに該当すること
ア 農⽤地の全てを効率的に耕作すること
イ 農作業に常時従事すること
ウ 農作業に常時従事しないと認められる者については
アのほか次の要件の全てを満たすこと
(ア)地域の農業者との適切な役割分担の下に継続的かつ安定的に農業経営を⾏うと⾒込まれること
(イ)その者が法⼈である場合は、業務執⾏役員等のうち⼀⼈以上の者が耕作の事業に常時従事すること
※ 農⽤地利⽤集積計画には、農⽤地を適正に利⽤していない場合には貸借を解除する旨の条件が定められています。

農地中間管理機構(農地バンク)について

農地中間管理機構(農地バンク)の事業の特例として、『農地所有者から農地を買入れ、農家への売渡しを行う事業』が実施されています。

利⽤権の設定等を希望する農地所有者⼜は利⽤権の設定等を受けることを希望する者に対しても農地中間管理機構が⾏う農地中間管理事業を活⽤が期待されています。

農地法3条許可申請時の注意点・農業者年金(経営移譲年金)について

農地の売買でかなりレアケースですが、問題が起こる場合があります。
というのも、農業者年金には、老齢年金と経営移譲年金(特例付加年金)があります。
老齢年金は支給停止にはなりませんが、経営移譲年金(特例付加年金)は受給者の農地を転用したり売ったりすると、支給停止になる場合があります。
転用の目的が農業用施設である場合など、支給停止にならない場合もあります。

農地の相続について

農地の権利を相続等により取得した場合は、その農地のある市町村の農業委員会へ届け出る必要があります。(許可は不要です。)

届出時には、届出書と併せて相続登記済の登記簿謄本の写し等を提出する必要があります。また、相続等で取得した後、農地を売買したり、農地を転用したりする場合は、原則通り農地法3条・4条・5条の許可が必要です。

農業経営の事業承継:集落営農と農業者年金(経営移譲年金)との関係

1   経営移譲を受けている後継者(子)が集落営農(任意組織)や農業生産法人に参加した場合の受給権者(親)の農業者年金(経営移譲年金)について

(1) 集落営農(任意組織)に参加する場合

経営移譲を受けている後継者(子)が集落営農(任意組織)に参加しても、農地の名義が変わらないので、受給権者(親)の経営移譲年金は支給停止になりません。

(2)  農業生産法人に参加する場合

経営移譲を受けている後継者(子)が農業生産法人に参加しても、適切な手続を踏めば、受給権者(親)の経営移譲年金は支給停止になりません。

2   農業者年金の受給権者(親)が集落営農(任意組織)や農業生産法人に参加した場合の農業者年金(経営移譲年金)について

(1)  集落営農(任意組織)に参加する場合

経営移譲年金が支給停止になるときは、農地の権利や法人の持分を取得したときです。受給権者(親)が集落営農(任意組織)に参加しても、農地の名義は持たないので、経営移譲年金は支給停止になりません。

(2)  農業生産法人に参加する場合

受給権者(親)が、農業生産法人の構成員となり法人の経営に参画する(法人の持分を取得する)場合は、農業経営の再開となり、経営移譲年金は支給停止となります。ただし、単に雇用者となる(法人の持分を有さない)場合には、農業経営を再開したことにならないので、経営移譲年金は支給停止になりません。

耕作証明書(営農証明書)について

市外の市町へ農地法第3条許可申請、利用権設定申請及び農地の買受適格証明申請などを提出するときに添付するものです。

これらの証明については申請書の様式、申請に必要な書類などがそれぞれ市町によって異なりますので詳しくは農業委員会事務局までお問い合わせください。
耕作証明書は、農業委員へ圃場の耕作状況確認を行ってもらい作成されるため、日数を要する場合があります(おおよそ2週間)。日数に余裕をもってご申請ください。

非農地証明願について

登記簿上の地目が農地で現況が農地でない土地について、一定の基準を満たしている場合は、農地でない証明を申請することができます。 法務局での地目の変更は、証明書が発行された後になります。

対象となる土地の条件

  • 対象土地の全体が非農地となってから20年以上経過し、農地への復旧が著しく困難であると認められること
  • 農地法による違反転用処分の対象となった土地でないこと
  • 農業振興地域の整備に関する法律に定める農用地区域内の土地でないこと

農地法4条許可(農地転用)

自己所有の農地を農地以外の土地に転用する場合、都道府県知事等の農地法4条の許可が必要です。

(農地法4条許可が不要な例外)

例外① 自己所有の採草放牧地を採草放牧地以外に転用する場合、農地法4条許可は不要です。
例外② 農家が2アール未満(200㎡未満)の農地を農業用施設(農業用倉庫など)用地に転用する場合、農地法4条許可は不要です。
例外③ (市街化区域内の特則)

市街化区域内の農地を転用する場合、あらかじめ農業委員会に「届出」を行うことで農地法4条許可は不要です。

農地法5条許可(転用目的権利移動)

農地を農地以外または採草放牧地を採草放牧地以外の土地(農地を除く)に転用した上で、権利移動も行う場合、都道府県知事等の農地法5条の許可が必要です。

農地を資材置き場等に転用する場合、その転用が期間を限定した一時的なものであったり、農地に復元して返還する契約であったとしても原則農地法5条の許可が必要となります。​

例外③ (市街化区域内の特則)

市街化区域内の農地を転用する場合、あらかじめ農業委員会に「届出」を行うことで農地法5条許可は不要です。

営農型太陽光発電事業(ソーラーシェアリング)の一時転用許可

営農型太陽光発電とは、一時転用許可を受け、農地に簡易な構造でかつ容易に撤去できる支柱を立てて、上部空間に太陽光を電気に変換する設備を設置し、営農を継続しながら発電を行う取組で、設備の下部農地を利用して農作物を栽培するための一時転用(3年又は10年※)許可申請です。原則転用が不可能な農用地(農業振興地域内の農用地)であっても要件をクリアすれば、一時転用により太陽光発電設備の設置が可能となります。

作物の販売収入に加え、発電電力の自家利用等による農業経営の更なる改善が期待できる制度として制定されましたが、実際に営農が適切に行われていない事例も多く、令和6年4月1日に具体的な取り扱いについてガイドラインが制定されました。これにより、都道府県知事等への経由段階の農業委員会での審査項目が増加し、さらに兵庫県では太陽光発電施設等と地域環境との調和に関する条例」が改正され、令和6年10月1日から施行されます。都市計画課(生活環境課)及び農業委員会への事前打ち合わせが同時進行で必須となります。

※通常は一時転用許可期間3年以内です。

但し、下記の要件に該当する場合は、一時転用許可期間が10年となります。

※次のいずれかに該当するときは10年以内
・ 認定農業者等(認定新規就農者含む)の担い手が下部の農地で営農を行う場合
・ 遊休農地を活用する場合
・ 第2種農地又は第3種農地を活用する場合

営農型太陽光発電事業の一時転用許可の申請パターン

①農地所有者が自己所有する農地に太陽光発電設備を設置し、設備下部農地にて農作物を農地所有者自身が栽培する場合

→農地法4条一時転用申請となります。

②農地所有者が別の営農者に賃貸借契約等で農地の耕作にについて権利移動し、営農者の名義で太陽光発電設備を設置し、設備下部農地にて農地所有者以外の営農者が農作物を栽培する場合

→農地法3条許可申請(農地所有者と営農者)及び農地法5条一時転用許可申請(農地所有者と営農者)となります。

③農地所有者が別の営農者に賃貸借契約等で権利移動し、さらに農地所有者・営農者以外の第三者(太陽光発電事業者等)名義で太陽光発電設備を設置し、設備下部農地にて営農者が農作物を栽培する場合

→農地法3条許可申請(農地所有者と営農者)及び農地法5条一時転用許可申請(営農者と太陽光設備設置第三者)並びに農地法3条区分地上権設定(農地所有者と太陽光設備設置第三者)

 営農型太陽光発電事業の具体的な取扱いについてガイドラインが制定され、令和6年4月1日に施行されました

営農が適切に行われず、農作物の収量が基準に満たないような事例を排除するため、これまで通知で定めていた一時転用の許可基準等を農地法施行規則に定めるとともに、具体的な考え方や取扱いについてガイドラインを制定し、令和6年4月1日に施行されました。

①一時転用許可における「下部の農地での営農の適切な継続が確実かどうか」の事前チェックポイント

a. b以外の場合:平均的な単収と比較しておおむね2割以上減収しないこと。
b. 市町村で栽培されていない作物や生産に時間を要する作物の場合:試験栽培の実績又は栽培理由書に記載した単収より減少しないこと。

〇 毎年の栽培実績及び収支の報告が適切に行われるか。
〇 農作物の生育に適した日照量を保つための設計であるか
〇 効率的な農業機械等の利用が可能な高さ(最低地上高2m以上)であるか
〇 地域計画の区域内の農地の利用集積等に支障がないとして協議の場での合意が得られているか 等

② 一時転用許可は、再許可が可能

• 再許可では、従前の転用期間の営農状況を十分勘案し総合的に判断されます。
• 自然災害や営農者の病気等やむを得ない事情により、営農状況が適切でなかった場合は、その事情等を十分勘案されます。
• 当初許可時には遊休農地であっても、再許可時には遊休農地として扱わない。

③年に1回の報告により、農作物の生産等に支障が生じていないかチェック

• 報告の結果、営農に支障が生じている場合には、現地調査が行われ、改善措置等の指導があります。
• 一時転用許可を受けた者が当該指導に従わない場合は、是正勧告や原状回復命令等の措置があります。

令和6年10月1日から太陽光発電施設等の設置に関する規制が強化されます!

「宅地造成及び特定盛土等規制法」(通称「盛土規制法」令和5年5月26日施行)の改正に伴い、関連法令が改正されています。

令和6年10月1日施行 兵庫県「太陽光発電施設等と地域環境との調和に関する条例(以下「県条例」という。)」

<届出制>
事業区域5,000㎡以上

<許可制>
事業区域5,000㎡以上 かつ民有林で3,000㎡を超える切土・盛土

※たつの市、小野市、三田市(市街化区域)、朝来市、多可町の区域においては、事業区域の面積が「1,000平方メートル以上」の施設が対象です。

※加古川市については、「加古川市開発事業の調整等に関する条例」及び「同条例施行規則」が改正され、「500平方メートル以上5,000平方メートル未満」の小規模な太陽光発電施設の設置に際しても設置基準があります。

三田市の市街化調整区域内で、平成31年4月1日以後に太陽光発電施設の設置工事又は増設等工事に着手する場合は、県条例に基づく届出は不要です。(別途、市条例の手続が必要です。)

※神戸市内で、令和元年10月1日以後に太陽光発電施設の設置工事又は増設等工事に着手する場合は、県条例に基づく届出は不要です。(別途、市条例の手続が必要です。)

農地法違反等の不適切な事由が確認された営農型太陽光発電事業への措置

資源エネルギー庁の対応

令和6年8月5日付けで農地法違反等の不適切な事由が確認された営農型太陽光発電事業に対し、FIT/FIP交付金の一時停止措置が行われています。

本来の営農型太陽光発電事業制度趣旨は、休耕田等の農地を有効活用し、農作物の栽培が大前提です。農作物販売のみでは経営が成り立たない状況を打開し、農業経営を助けるための事業であるということを理解しておく必要があります。

現在、営農を怠り、ほとんど農作物の収量もない荒廃農地となっている営農型太陽光発電事業事例が各地で大問題となっています。地域の営農にも大変な悪影響であり、地域と共生した再生可能エネルギーの導入促進には危機的な状況と言えます。

措置対象

  1. 下部農地での営農が適切に継続されていない又は一時転用期間満了後も設備が撤去されないとして、農地転用許可権者から是正勧告や原状回復命令が出され違反転用状態のもの(15件/6事業者)※ 事業者名等は非公表。
  2. FIT認定後3年以内に農地転用許可を受けることが要件とされている事案について、期間内に農地転用許可の取得が行われず、FITの認定要件を欠いているもの(327件/14事業者)※ 事業者名等は非公表。

今後の対応

営農型太陽光発電事業を行うことが決まった段階で、栽培作物がどのくらい収穫できるのかしっかりとした営農計画が必要です。その上で地域の区長・農会長・水利組合等への営農計画等の事前説明・事前協議の場を持つことが必要です。特に事業実施予定地が「農用地」だった場合、栽培方法等が周囲の圃場内の農作物に対して悪影響を及ぼさない等の事前説明を行う必要があります。また地域の草刈り等の圃場管理についてもきちんと把握し、地域の担い手として、協調して営農することが大前提となります。信頼関係の構築をおこなった上で、申請準備を行う必要があります。

農業に関わる外国人材の雇用について

農業での主な就労VISA

・技能実習1号~3号(育成就労制度へ移行)

・特定技能1号~2号

・特定活動:国家戦略特区農業支援外国人受入事業

・技術・人文知識・国際業務※

※業務内容等が高度で専門的な内容の場合

まずはお問い合わせください。

実際の業務内容や雇用条件等をお聴きした上で、手続き等の詳細をご説明を致します。

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