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10.2016
企業型確定拠出年金「選択制確定拠出年金」の「年金額の減少」は本当にデメリットなのか?
by かすや法務行政書士事務所
今日は、「選択制確定拠出年金」のデメリットとしてよくあげられる「年金額の減少」について記載します。
将来受け取ることのできる年金、その他の標準月額をベースとして算出されるもの(傷病手当等も)に関しては、受取金額が減ります。
ここだけみれば「選択制確定拠出年金」はデメリットだ!という表現になってしまいます。
ここでよく言われるのは、一定額以上給与をもらっている高額所得者なら、等級が下がらないため、デメリットはないと説明されます。
ただ単に「将来、年金の受け取り金額が減る」というなら、まさにデメリットです。
しかし、その分、今まさに子育て等で一番お金がかかる現役世代において、税制優遇あるいは社会保険料削減効果を期待できますので、十分メリットになりうるといえます。
月収35万円、40歳男性、掛金額25,000円の場合
導入効果(所得税、住民税、社会保険料負担額)・・・約97,000円(年額)
減額となる老齢厚生年金の受取見込み額・・・約33,000円(年額)
65歳以降、平均寿命までの減額総額・・・約635,000円
現役世代においての導入効果総額(60歳まで掛金)・・・約1,940,000円
以上、シュミレーションしてみるとデメリットだけでなく、メリットも多くあることがご理解いただけると思います。
デメリットとして年金額が減るけれども、その分、将来のために毎月25,000円掛金をしていくわけですから、結果的にこの方は、
また、もうひとつのデメリットとして、積立金を途中で「引き出しできない」こともよくいわれますが、国民年金や厚生年金と同様、途中で引き出すことができないからこそ、しっかり将来のために貯蓄していくことが可能です。
「減額」する一つの表現や数字だけにとらわれずに、全体でどのようなメリットが出るのかをみていくことが制度の理解につながります。